特許は出願しただけでは権利を取得することはできません。
出願すると、方式審査がなされ、出願から3年以内に出願審査請求をすると実体審査が行われます。
実体審査の結果、特許の要件を満たしていると判断されると特許査定がなされ、原簿に登録されて特許権が成立します。特許の要件を満たしていないものは拒絶されます。
権利を取得するまでの流れ及び費用
特許権を取得するまでの流れ及び費用
実用新案権を取得するまでの流れ及び費用
<方式審査と補正指令>
方式審査とは、願書や明細書などの出願書類が特許法で定める手続的及び形式的な要件を備えているかどうかを審査することをいい、特許出願されたすべてについて審査されます。
方式審査で出願書類に不備があると、特許庁より出願書類の不備を補正するよう、「手続補正指令書」が送付されます。手続補正書にて指定された期間(通常は30日以内)に手続補正書を提出して不備を訂正します。
<出願審査請求>
特許出願した発明が特許になるかどうかは特許庁の審査官による実体審査を経て判断されます。この実体審査に入るためには、出願日から3年以内に「出願審査請求書」を提出しなければなりません。3年以内に出願審査請求がされなかった出願は、取り下げたものとみなされます。
特許庁へ支払う出願審査請求手数料は、審査の対象となる請求項の数により変動しますが、少なくとも122,000円は必要となります(118,000円+請求項の数×4,000円)。
尚、資金に乏しい個人や法人、研究開発型中小企業、大学等が出願人の場合、所定の手続を行うことにより、出願審査請求手数料が免除や半額になる制度があります。
<実体審査>
方式審査をクリアした出願で、出願審査請求がなされた出願は、審査官によって特許になるかどうかの実質的な審査が行われます。
拒絶理由を発見しなかった場合は、審査の最終段階である「特許査定」がなされます。
拒絶理由が発見された場合は、特許庁より「拒絶理由通知書」が発送され、出願人は「意見書・手続補正書」等を提出し、考えを伝えます。拒絶理由が解消された場合は、「特許査定」となりますが、依然として解消されていないと判断されたときは、「拒絶査定」が発送されます。
拒絶査定を受けて、これに対して不服がある際には、指定期間内(通常は3月以内)に「審判請求」を行って再度審理を求めることが出来ます。審判請求を行わない場合には、「拒絶査定」が確定します。
<特許権の成立>
特許権は、審査官の「特許査定」がなされただけでは権利が発生しません。
所定の登録料が納付された後、特許庁長官により特許登録原簿への特許権設定の登録が成されて初めて権利が発生します。
特許料の納付は、特許査定謄本が発送されてから30日以内に第1~第3年度分を一括して行います。第4年度以降の特許料については、前年までに翌1年分を納付することも、何年分かをまとめて納付することもできます。 |